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コラム

精神科訪問看護における精神科看護師の役割とは?

今回は、精神科訪問看護でどのような支援が行われているのかを「精神科看護師の役割」として解説していきます。※こちらの記事は「一般的な精神科訪問看護」を一つの例として取り上げていますので「訪問看護ステーション かえで」のサービスに完全に準ずるものではありません。ご了承ください。

精神科訪問看護9つの役割

①再発・再入院の防止
精神疾患で入院治療を終え、自宅に戻った後に症状が悪化し、再発、再度入院になる場合が多々あります。原因は病気、個人によって人それぞれ、様々ですが、症状によって外出できないご本人の方が多く、症状がさらに悪化すると、外来受診ができなくなってしまいます。そして症状悪化を繰り返し、再入院に至ることがあります。

例:統合失調症(幻覚や幻聴の症状が重くなると外出するのが怖い、外で人に会うのが怖い等)

この「再発・再入院」の悪循環をを防止するため、精神科訪問看護が定期的にご自宅へ訪問し、ケアするのが精神科訪問看護の大きな役割のひとつです。
自立支援
精神科訪問看護に限らず、訪問看護には「ご本人の自立支援」という大事な目的があります。自立とは「自己決定に基づいて主体的な生活を営むこと」「障害を持っていてもその能力を活用して社会活動に参加すること」が挙げられます。(厚生労働省のHPより)

ご本人の希望する生活を共有し、ADL(日常生活動作)や、IADL(手段的日常生活動作)の評価をし、安心して自宅で生活できるよう、精神科訪問看護でサポートをしていきます。
生活支援・生活リズムの調整
昼夜逆転、暴飲暴食、不食、定まっていない睡眠時間など、症状や生活習慣によって「生活リズム」が乱れてしまいます。例えば、不眠等は体に負担を与えると共に、病状の悪化を招きます。

また、しっかりとした食事を摂取しないことで体のエネルギーが不足し、体そのものに悪影響を及ぼす場合もあります。ご本人が健やかに、規則正し生活を送れるように「衣食住」をしっかりサポートすることが大切です。
社会資源活用支援・社会復帰支援
ご本人が安心して受診、治療、そして社会復帰をするために様々な社会資源があります。

・自立支援医療制度
・医療保険の高額医療制度、限度額適用認定制度
・患者様を地域で支える仕組み・地域生活支援事業
・訪問看護
・居宅介護:ホームヘルプサービス
・自立訓練:生活訓練、宿泊型自立訓練
・共同生活援助:グループホーム
・地域の生活拠点・地域活動支援センター
・就労移行支援
・就労継続支援A型(雇用型)
・就労継続支援B型(非雇用型)
・障害者就業・生活支援センター
・ハローワーク(公共職業安定所)での就労支援
・障害年金
・障害者手帳 精神障害者保健福祉手帳
・障害福祉サービスの申請・利用者負担
※公益社団法人日本精神科病院協会公式HP抜粋

これらを利用、活用することでご本人にとってよりよい生活を送ることを目的としています。精神保健福祉士が専門的なアドバイスをすることもあります。また、上記は変更する可能性があります。最新の情報は病院窓口、市町村窓口へお問い合わせください。
服薬管理・支援、指導
入院している間は病棟で服薬管理を行いますので「飲み忘れ」等がありません。しかし、在宅の場合は主にご本人やご家族が服薬の管理、また、過剰服薬、飲み忘れ等への対策をしっかりする必要があります。

精神科訪問看護のスタッフはご本人が安全な在宅生活を継続していくための服薬管理をしていきます。具体的には、ご本人の生活スタイルに合わせて、適切な時間に服薬ができるための支援、自己判断で服薬を止めないといったケアも必要です。また、副作用もしっかりと見極め、服薬管理と共に観察、早期発見をし、主治医と連絡を取り合ったり、薬局ともやりとりをしながらサポートしていきます。
リハビリテーション
日常生活に必要なリハビリテーションを行います。食事、服薬、家事一般、または簡単な外出(散歩)や余暇等、体調や症状をみながら、ご本人にあったリハビリでQOLの維持向上を目指します。SST(社会生活スキルトレーニング)を実践することもあります。

精神科のリハビリテーションは「精神科領域の作業療法士」等の専門職があります。精神科の看護師、精神科の医師と共に訪問看護を行うケースもあります。
精神症状のセルフコントロール
服薬に加えて、重要な「精神症状のセルフコントロール」です。日常生活の中で自分の精神症状をコントロールすることを目標とします。病気の理解と実生活での対処法を身につける心理教育や、認知行動療法など専門的なアプローチを行ったり、ご本人研究、WRAPなどの取り組みを行うこともあります。
コミュニケーションによる病状観察・家族支援
精神科訪問看護では「コミュニケーション」が中心であり、とても重要です。看護師はご本人やご家族とコミュニケーションを取りながら、些細な変化を観察、確認していきます。

ご本人の中には孤独になりがちな方も多く、ご家族と同居している場合でもコミュニケ―ションを取るのが難しく、接し方が分からないために、症状や関係性を悪化させる可能性もあります。精神科訪問看護ではご家族へのケアも大切な支援です。

第三者である精神科訪問看護が入ることで、ご本人とご家族とのコミュニケーションを円滑にし、双方のQOLの向上をサポートします。
医療機関や地域との連携
精神科訪問看護はかかりつけの主治医の指示の元、本人の自宅へ訪問します。病状に応じて、主治医へ報告、そして様々な相談を行います。

主治医、医療機関との連携はもちろん、相談支援専門員、市区町村の担当保健師、ヘルパー事業所といった「地域」との情報共有も精神科訪問看護師の役割のひとつです。

各々、細かく分けると専門分野は別々、立場もバラバラですが、精神疾患を抱えるご本人やご家族を一緒にサポートしていく上では「ひとつのチーム」です。

緊急時の対応や現状の報告など、まめに連絡を取り合える体制を作り、ご本人やご家族が安心して生活できるよう、日々、地域との連携は欠かせません。

様々な職種と連携する上で、医療面と生活面の両方をみていく精神科訪問看護が果たす役割は重要です。

最後に

今回は精神科訪問看護の役割についての記事でした。

精神科訪問看護はご本人やご家族、また、地域と密接に連携しながら、ご本人の自宅に訪問し、看護をします。

精神科訪問看護師としての役割は多岐に渡りますが、根底にある大切なことはお互いの「信頼関係」です。

それぞれが最高のパフォーマンスを発揮し、ご本人が安心して生活できるように最善を尽くす、それが精神科訪問看護の役割です。

訪問看護ステーション「かえで」では東京都葛飾区を中心に精神科看護の専門スタッフがご自宅へお伺いします。

ほとんどのスタッフが、地域での精神科訪問看護の経験も豊富です。

ご相談・ご質問等がありましたらぜひお問い合わせください。

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